How to Grow Billbergia ビルベルギア・エクメア・ケスネリアの育て方


写真は私の大好きな品種、Billbergia 'LimeStone'です。オークションを通して、ビルベルギアの育て方について、ご質問を頂く機会がありましたので、内容を本稿にまとめたいと思います。

はじめに

ビルベルギア・エクメア・ケスネリアについては一般的な園芸店での取り扱いは極僅かですが、一方でこれらを専門的に扱う店舗も登場し、愛好家もここ10年程でかなり増えたのでは無いでしょうか。育成方法についてはネット上でも十分な情報がありますが、参考として私の育成方法をご紹介します。

ビルベルギア・エクメア・ケスネリアの自生地

所謂タンクブロメリアの仲間で南米の平地~山岳地帯まで幅広く分布しています。これらの属は木の上に着生したり、日当たりの良い地面に生えたりと、比較的強い光が当たる環境を好みます。筒状になった葉の中心に水を貯めことができるため、水分が少なく栄養の乏しい土壌でも育つことができます。

育成環境

以下、私が採用している方法です。ベアルート苗についても基本的に同じ管理方法です。

・陽射し…「20%遮光~直射日光」 強い光を好みますが、夏場は20%ほど遮光した環境が最適です。白系の品種については強い光に弱いようなので、夏場は30%程度遮光しても良いと思います。
・水やり…「週1回程度」 水を遣る際は筒の中と根元にたっぷりと注いでください。根元からも水を吸収しますが、筒に水を貯めておけば2~3週間水を遣らなくても問題ありません。その為、ベアルートも同じ管理が可能です。
・鉢…「硬質ポリポット」 他のものでも問題ありません。詳しくは用土の項に記載します。


愛用の硬質ポリポット

・用土…「軽石、またはヤシガラチップ単用」 私はポリポットのように水を吸わない鉢を使うので、用土はかなり乾きやすい物を使用しています。焼き物の鉢など乾き易い物を使うときは水苔や赤玉土等混ぜた用土でも問題ありません。


ヤシガラチップ単用


軽石単用

・肥料…「無し、または固形肥料を1個」 肥料無しでも綺麗に育ちます。、後から量を調整できる置き肥が便利です。用土に隠れない大粒の方が量を確認しやすいのでオススメです。鉢の隅など根元から少し離して置いてください。
・冬季…「筒から水を抜いて、水は極少量」 気温10度を下回ったら成長が滞ってきますので、筒から水を抜いて根元にスプレーなどで極少量の水を与えます。スペースに余裕があれば室内で管理した方が痛みが少なくて済みます。夜中に水をやると凍結の可能性があるので、昼間気温が上がったタイミングの方が良いです。室内ならそれほど気を遣う必要はありませんが、寒い地方では暖房をつけたタイミングなど、気温が上がったときの方が無難です。


FAQ

ご参考までに落札者の皆さまから頂いたご質問内容と回答を記載しておきます。

Q:ベアルート苗はどのように管理すればよいですか?
A:特別なことは必要ありません。通常の用土に植えてたっぷりと水をあげてください。
Q:葉の白いスポットが茶色くなってしまいました。
A:葉焼けです。白い部分は焼けやすいので先に茶色く変化します。強い光の方が綺麗になりますが、夏場は遮光が必要です。
Q:葉焼けにはどのように対処すればよいですか?
A:残念ながら一度葉焼けした部分は元には戻りません。遮光した環境に移しつつ、新しい葉が伸びてくるのを待ちましょう。


ヤシガラチップ単用で育つドミンゴスマーチンス

おわりに

タンクブロメリアについては、水遣りの手間が少なく、乾燥にも強いので管理は楽な部類に入ると思います。根が無い状態でも筒に水を貯めておけば状態を維持できますので、冬場さえ気を付けておけば、滅多に枯れることな無いと思います。余談ですが、肥料として筒の中にひとつまみの腐葉土を入れて放っておけば綺麗に育つよと言っている方がいました。自生地では昆虫やボウフラの抜け殻が筒の中に溜まるから…とのことで、なるほどと思いました。タンクブロメリアについては、あまり世話を焼かなくても綺麗に育ってくれますので、初心者の方にもオススメです。