Dyckia goehringii original clone ディッキア ゴエリンギー オリジナル クローン


ブラジルで採取されたオリジナルから増殖したと言われるディッキアです。現在流通しているゴエリンギーについては、品種改良、交雑などそのルーツには諸説あるようですが、最初の採取品が受け継がれていていると思うとやはり感慨深く、ほとんどのディッキア愛好家は一つ以上のゴエリンギーを所有しているのではないでしょうか。私もゴエリンギーとして流通しているものを多く見てきましたが、詳細な採取地、採取者がはっきりしている一部のものを除き、一般的に流通しているゴエリンギーは大きく分けると三つのタイプに分類されるように思えます。

1.棘が大きく地色が紫のタイプ
2.地色が赤いタイプ
3.棘がやや小さく葉が細長くなるタイプ

もちろん綺麗に上記の何れかに分類されるわけではなく、日照条件や用土でも容姿は変わってきます。徒長して、棘の間隔が広くなってしまった苗などが良い例だと思います。しかし、入手元が違ってもほぼ同一と思われる株に出会ったりしますので、やはり「ゴエリンギーオリジナル」として扱われるクローンには、いくつか系統があるように思えます。


最もスタンダードらしきもの…


愛好家の方には出所や血筋、系譜を重視する方もいらっしゃいます。趣味というよりは研究に近いような姿勢で、その探求心には敬服するばかりです。その一方、あまりそういったことには拘らず、とにかく目の前にある株の容姿で良し悪しを判断される方もいます。

オリジナルへの憧れはすごく理解できますが、ディッキア愛好家の間では有名なConstantino氏も、自生してるディッキアでさえ交雑はすることがあると言っていますので、純粋なゴエリンギーという定義はなかなか難しいことかもしれません。


違う入手元だが同じ系統と思われる。


ディッキは自花受粉しにくい性質を持っています。他の株の花による受粉の方が確立が高いようです。(確か1年草の性質とは逆だったと思いますが詳しくは忘れました…)。そのお陰で素晴らしい交配種がたくさん生まれました。原種では到底及ばないような、派手な色合いで強烈な棘を持つものも多くあります。そういった交配種の進化の一方で、交雑は避けられない問題でもあります。その中にあっても「原点」を探求したくなる気持ちは、よくわかります。なんだか浪漫がありますよね。

ゴエリンギーは改めて見ても、やっぱりカッコいいディッキアです。まだディッキアを育てたことが無い方にもオススメしたい種のひとつです。最初に手に入れたディッキアはきっと思い入れの強いものになります。入手できる機会があればぜひ、ゴエリンギーを育ててみてください。